ページ

2013/03/25

安心ってなに?

こんにちは、まつかわです。
3月24日(日)は、岡山の城下ステーションで哲学カフェでした。
「安心ってなに?」というテーマに、9名の参加者が集まりました。

このテーマを思いついたのには、ちょっとしたきっかけがありました。
こんなシンポジウムです。



被災地を訪問した留学生の報告と自治体の人の話をきくことができたのですが、そこで、岡山の人には「岡山は災害が少ないから安全・安心」と言う人が多いということ、しかし一方ではそう思わない人もいて岡山市でも防災関連の予算が増えたことをきき、いろんな人に「安心」についての考えをきいてみたいと思いました。

哲学カフェでは、震災の話題をはじめ、海外から帰ってきたらほっとする、防犯灯や看板をみるとかえって安心感が減る、といった体験を語りながら、「安全と安心はどうちがうのか、どのような関係にあるのか」、「孤独だと不安になるのはなぜか」、「ひとそれぞれ安心に必要なものは異なる(障害や妊娠、病気などの状況によっても異なるし、同じ状況でも人によって異なる)」・・・といった点をめぐって、まったり話し合いました。ちょうど前日に発表された最新版のハザードマップを持ってきてくださった方もいました。

個人的に面白かったのは、「安心」と「安全」のちがいと関係をめぐる議論です。
最初の30分くらいは、「安全がないと安心はない」「安全だから安心する」という意見に反対する人はいませんでした。が、「防犯灯がついていると、かえって『ここってそんなに危険なの?』と不安になる」という話をきっかけに、「それは、安心を犠牲にして安全を守っていることになる。危機感をもってもらうことが、かえって安全につながることもあるのでは」という指摘がされました。できれば安心して暮らしたい。けど、その気持ちがかえって危険な環境をつくり出してしまうこともある。
「岡山は災害が少ないから安全・安心」という言葉に対する不安の正体がわかって、スッキリしました。(たしかに岡山は自然災害が比較的少ない土地ですが、日本列島で自然災害と無縁なんてことはないでしょう。)

また、それと関連して「“わからない”と不安になるけど、“知らない”状態なら不安にもならない」という指摘や、「“安全”は客観的なものか、それとも人が下す判断にすぎないのか」という論点も面白かったです。

最後に参加者に感想を尋ねたところ、「哲学って難しい印象があったけれど、こうして身近なことを話しながらできるのが新鮮で楽しかった」、「人によって“安心”の基準が違うなかで、どうやって共通の安全・安心の基盤をつくっていくかという点についても、もっと話してみたい」という感想をいただきました。
こういうテーマは自分が住んでいる街でこそ話し合う意義があるだろうので、今後も、折りに触れて防災に関連したテーマを取り上げていきたいです。


さて、岡山の城下ステーションで行う哲学カフェ、軌道にのってきたところですが、来月はお休みします。岩淵さんと新しい企画の実験をするためです。お許しください。
次回は5月。「愚痴」に関するテーマで開催の予定です。詳しい日程などは、後日、カフェフィロのメールマガジンやHPでお知らせします。お楽しみに。