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2016/02/09

哲学カフェ@千里コラボ 「戦争になってしまうのはなぜ?」H28年1月30日 開催報告


哲学カフェ@千里コラボ 「戦争になってしまうのはなぜ?」
平成28130()14:00-16:00  進行:赤井郁夫

たくさんの方にご参加いただきました。難しいテーマかと思いました。
戦争について語り合うことはほとんどない日常生活を送っている私たちが色々な意見に接することができた良い機会だったと思います。
ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

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◆戦争の起きかた
・テーマを個人として考えるか国として考えるか二通りあると思います。
・「戦争」を個人、あるいは人として考えると闘争本能のようなものを考えることになるでしょう。国として考えるなら武器の使用を伴う近代戦を考えることになると思います。
・なぜ戦争になるかについては、
   自然に起きる、つまり人間である以上戦争は避けられないものかもしれません。子どものケーキの取り合いと同じでどうせやるなら良いものを取りたいと言う欲求があって、領土や資源の取り合いになると人は戦争を起こすのかもしれません。
   意図的にあるいは仕掛けることで戦争が起きるのではないでしょうか。特に近代戦では兵器産業・軍需産業の圧力が存在し政治に影響を与えて戦争が起こるのかもしれません。
   巻き込まれることで戦争が起こることもあるようです。同盟国に引きずられたり、バタフライ効果のような影響だったり、誰も責任をまともに取らないことによって止まれなかったりして巻き込まれてしまうかもしれません。
・意図的に仕掛けて起きる戦争は大国の都合によって起こされているのではないかと思います。
・しかし、誰も得をしない戦争と言うのもあるように思います。
・原水爆がある今は世界規模の大戦はないように思います。しかし「戦争になるかもしれない状況」が続くことが都合がいいという勢力があると思います。
・冷戦と言うものがありました。取り決めの外へ出た時に戦争になるがそうでなければ大きな戦争にはならないような仕組みがあったと思います。

◆戦争に至る道
・隣国との緊張がある方が政治家の都合がいいのではないでしょうか。
・戦争のトリガーを引くのは政治家でしょうか。
・戦争を止めようとする優れたリーダーがいたらいいな、と思います。しかしそのようなリーダーは評価されないでしょう。
・近代的な戦争は国家間で行われますが内戦やテロは戦争でしょうか。
・人間はラグビーやサッカーなどのスポーツや暴走族の縄張り争いなど陣取り合戦のような戦いを好む本能を持っているのかもしれません。
・子供のころ戦争ごっこをしていました。戦闘機や軍服をかっこいい、と思いますが、そのことと戦争が始まることとはどう関係しているのでしょうか。
・戦争は良くないこと、とネガティブに捉えられているようですが、歴史的には民族の英雄が生まれ正義が行われる舞台となっているのではないでしょうか。そこには衝動や熱狂があったのではないでしょうか。
・戦争は個人では止められないように思います。それは何かが溢れ出るようなものであって止められないのではないかと思います。
・戦争は弱者を無視して進みます。

◆戦争と人間
・戦争になる根っこには自分が正しいと思っている、とかこの戦争は正義のためだという思いがあるのでしょう。
・他にもメンツもあるでしょう。
・人間だからこそ殺しあいをします。他の動物は人間のような戦争はしません。戦争は生きるためにするものではなくて、宗教や教育、同調圧力のためではないでしょうか。死を恐れないという価値観が正義と繋がっているように思います。
・世界各国の軍隊は「防衛」を謳い、「攻撃」を謳う国はありません。なぜ自衛と言い平和を守ることが軍隊を持つことになるのでしょうか。
・今までのご意見では指導者がごまかしているとか戦争を煽る政治家やメディア、利益を得る者が戦争を起こすと言うように他責の話になっているようですが、国民性によるのではないでしょうか。

◆国民の戦争
・メディアに乗せられて国民が戦争に向かっていく、というが、尤も悪いのは無関心だと思います。
・戦争になってしまってから、運が悪いなあなどと言っている人も多いように思います。
・卓越した力を持つ国があれば戦争は起こらないと思います。その意味で冷戦時代は戦争が少なかったと思いますし、これからは増えることになるのかもしれません。
・人口増加が戦争の理由である資源やエネルギーの確保を大義名分に仕立て上げるのかもしれません。
・戦争を知らない人が戦争をしたがると思います。
・戦争はなくなるのでしょうか、なくならないのでしょうか。
・情報がコントロールされているから、メディアによって一つの方向に流されていきやすいと思いますが、そこで個人が判断をすることが大切になってくると思います。

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戦争の周辺にまで言及しつつ人間の存在から軍需産業の存在まで色々な切り口が出されたと思います。切り口の一つから広がっていく探求の世界があります。例えば制服と軍隊の関係について、如何に軍の一体感を高めることが重要であり制服が担っている役割の大きさに気がつかされます。翻って言えば一体感を高める仕組みは案外単純なもので良いのかもしれません。

2時間程度では語り尽くせることではありません。参加いただいた方々がモヤモヤしながら帰っていただき、さらにご自分の考えを深める切っ掛けになったとしたらありがたいことだと思います。